Classici giapponesi con furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate
「何かあったのかッて。べら棒め、江戸の丑満時に、事件のねえ晩などが一晩だってあるものか。またおれたちの眼を抜きやがって、堀留河岸の呉服問屋へ、五人組の押込がはいったんだ」
「へえ。五人組ですか。悪いものが流行ってきたものだ。でも、怪我人はなかったんで?」
「いや、まだ御検死も来ねえからよく分らねえが、今夜の奴ア、思いきッて酷い手をやったらしい」
安は、いいすてて、ほかの自身番へ駈けて行った。すぐ、そのあとで、
「おたつ、由蔵も起してくれ。小ッせい騒ぎじゃないらしい」
と、庄七は、喰べのこしのうどんをあわてて、啜りこんだが、ふと、初午祭りの地口行燈に、
首一ツ落ちぬ夜はなし江戸の春
と、物騒なこの頃を諷してあった不気味な絵と句をおもい出して、ぶるッと、背すじをふるわせた。
「ええ、うどんは冷えちまうし、何だか、よけえ寒くなっちまった。おおい、由っ。お固めだぞ。早く木戸へ立ってくれやい」
六尺棒を持って、彼も、外へ出て行った。
山田の案山子
やがてまた、同心、捕手の一組が、
「怪しげな者は、見ないか」
と、見廻って来て、立ち去った。
事件の全貌も、追々、わかってきた。