Classici giapponesi con furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate
わしの召捕った者は、奉行所へはやらんぞ」
「それは困ります。父上、違法になりますぞ」
「なってもいい。そちも、奉行所与力として、今度の事に身命を賭しているなら、わしも越前守様の個人の知己として、こよいは一身を賭して参ったことだ。お燕は渡さぬ」
楽翁は、深く思うところがあってか、頑として肯かないのみでなく、急にどこかへ馳け出して行ったと思うと、彼方にあたって、おういっと呼び、おういっ――と答えあう声がした。
やがて、二挺の町駕籠が、森の木蔭へ寄せられた。
見ると、牛込柳町の駕籠寅の主と若い者。楽翁の家のすぐ近所で、つねに楽翁を先生先生と慕っており、楽翁も病人というと、何はおいても、すぐ馳けつけて診てやっている仲だった。
「おい、かご寅。この若い女の方をな、先に乗せて、一足先に、わしの申しつけた所まで、急がせてくれい」
「へい、承知しました。おや、義平太様もこれにおいでで……。今夜は、お手柄なことでございましたな」
「これこれ寅。よけいなことをいわんでもいい。早くせい、早く。……そして、その方ばかりでなく、若い者達にも、くれぐれ口外いたすな、と口どめを固く……よいか、頼むぞ」