Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate

Aozora Bunko

と、ある結論を与えて、先頃からしきりに奔走させているものであることは、もう疑う余地はない。

またその藪八こと藪田助八が、ひとたび将軍直々の隠し目付という特異な職能をもって、活溌に働き出すとなれば、かれの動かし得る捜査網や機能は、町奉行でも寺社奉行でも及ばないものがある。要するに、役名は一お庭番にすぎないが、駿河台の伊賀組甲賀組はみな彼の手足だし、時には、老中や若年寄へ機密な連絡をもつことも可能だし、たとえば、絶対な不可侵境といわれている大奥でも、輪王寺の宮の内事にでも、かれが刺を通じて、質問にのぞむ場合は、これを否むことができない。――それを拒むことは、将軍家の直意を拒むことになるからである。

「では、間もなく、お出かけかの」

「ウム。せがれ采女にも支度させ、ともかく、上野あたりまで」

藪八は、言外の意味を、笑顔に見せて、二階の窓から、庭の離室をのぞき下ろした。

「采女。――采女」

かろく手をたたいて、その屋根へ呼んだ。

離室は、階下の母屋の渡り縁から縁つづきになっていた。

「はいっ」と、やさしい声の返辞がきこえ、そこの小窓があいたと思うと、

「お呼びでしたか」