Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate

Aozora Bunko

やり損なったら、あぶないものだ」

「臆病だね、久助さんは」

「その久助に、手をあわせて、後生、たのむ、一生恩にきるからと、あんなに泣いて、かき口説いたのは、誰だッけ」

「そんなこと、いいからさ」

打つ真似して、追いたてると、久助はやっと腰をあげ、ひと風呂敷の和本を、肩から脇にかかえ、

「じゃあ、ここを去なずに、待っておいでなさいよ。うまくゆけば、おたのしみだ」

「おねがい……」

お袖は、拝むようにいって、味噌久を見送った。もとの道からそこを下りて行ったかれは、丘のすそを巡って、やがて大岡家の表門のある赤坂筋の広い通りを歩いていた。

大岡家は、十一家もあり、ここの忠右衛門忠真は、本家格ではないが、お徒士頭、お先鉄砲組頭、駿府定番などを歴任し、いまは、閑役にあるといえ、やしきは大きなものだった。

男子がないので、同族の弥右衛門忠高の家から、七男の市十郎(幼名は求馬)を、十歳のとき、もらいうけた。むすめのお縫にめあわせて、家督をつがせるつもりなのは、いうまでもない。

ところが、養子の市十郎も、年ごろになるにつれ、近頃の若い者の風潮にもれず、おもしろくない素行が見えだした。