Classici giapponesi con furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate
身のほど知らずです。――越前守はここに、捕縄十手を携えて来ておりますぞ」
「吉宗にたいし、それを、用に立たせる所存か」
「場合によっては」
「狂気とも思えぬが、この吉宗を、罪の元兇とは、何を考えて申す暴言か」
「構えて、左様な、虚勢を固持しておられるうちは、仔細に、申すわけに参りません。まず謙虚をお示しなくば」
「よしっ。聞いてやる」
と、吉宗は、膝の下の敷物を、抜き取るように、ばっと、外へ投げすてて、
「さ。申してみい。儂が、何で悪の源か。詭弁は、ゆるさんぞ。いささかたりと、口濁したら斬り捨てるぞ」
「いや。ともあれ、この奉行の問いに、御不服あれば、率直に、御反問ください。――まず、お訊ね申すが、祖廟の定めおかれた天下の法令は、その根本義と、箇条箇条を、いったい、世の誰と誰とに適用いたすものでございまするか」
「この国の地上の人間、ひとりも余すものではない」
「では、将軍職といえ、法の外に在ってよいものではございませぬな」
「つ……つまらんことを訊くなっ」
「いや、治世の重大事です。忠相は、必死をもって、伺います。――将軍家は、法の上のものか、やはり、法の下にあるものかを」