Classici giapponesi con furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate
「ううむ……世をおそれぬ、不敵なやつ。親類でも手にかけて、そのそッ首を公儀にさし出さねば」
兵九郎の槍が、殺意を示し、こう憎み、罵ると、
「よせやい、叔父貴。おれを殺して、各が、お家の無事を計ろうとしても、おれにはおれの仲間がある。そいつらが、きっとしゃべるぜ。中野お犬小屋の犬を、一夜に何十匹も殺した天下の悪戯者は、大岡十家が、知っていながら匿いおいた同族五郎左衛門のせがれ亀次郎だと」
そのとき、ふッと、忠右衛門が、手燭の明りをふき消した。風かのようであったが、次のことばによっても、忠右衛門が意識的に、消したにちがいなかった。
「行け。行くがいい。……もう止めぬ。ふたりとも、迷うだけ迷って来い。若いのだ。――しかし、気がついたらいつでも帰れよ。亀次郎にも、帰ればいつでもあたたかくそちを抱いてやる家はあるぞ」
「ないっ――」
彼は、呶号した。
「おれには、ないっ。だから広い巷であばれてやるのだ」
「いいや、ある。忠右衛門の手もとへ来い」
「そして、縄付きにして、公儀へのいいわけに突き出すか」
「そんなことをするほどなら、ここを去らせず、汝の首ぐらいは、ひん抜いてみせられぬことはない。