Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

今、自分の不実、自分の愚かさを思い知りました」と我知らず打ち叫んで、再び権田を跳ね退けて、秀子の身に縋り附こうとすると、権田は猶も強情に遮って「丸部さん、今更何と後悔しても及びません、其の証拠には、コレ之を御覧なさい」と云いつつ、秀子の左手を取って、其の長い手袋を脱し爾して手首の所を露出にして余に示した、示されて余は見ぬ訳に行かぬ、見たも見たも歴々と見たのだが、是こそは秀子が生涯の秘密として今まで堅く人に隠して居た旧悪の証跡である、お浦が秘密を見届けたと叫んだも之であろう、高輪田長三が曾て夏子の墓の辺で秀子の手を取り争うて居たのも此の証跡を見ん為で有っただろう、証跡とは他ではない、お紺婆が臨終の苦痛に噛み附いたと云う歯の痕である、肉は死骸の口に残り、生涯不治の痕を遺したと幾度か人の話に聞いて居る、見れば全く骨までも達した者で、三日月形に肉が滅して最とも異様に癒え上って居る、余は二目と見る勇気がない、権田時介は余の顰む顔を見て「ソレネ、是が貴方と秀子とを離隔する遮欄です、それに反して私は、之がなくば秀子を我が物とする事が出来なんだかと思い之を月下氷人とも崇め做すのです」