Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
田口の叔母は、高木さんですと云って叮嚀にその男を僕に紹介した。彼は見るからに肉の緊った血色の好い青年であった。年から云うと、あるいは僕より上かも知れないと思ったが、そのきびきびした顔つきを形容するには、是非共青年という文字が必要になったくらい彼は生気に充ちていた。僕はこの男を始めて見た時、これは自然が反対を比較するために、わざと二人を同じ座敷に並べて見せるのではなかろうかと疑ぐった。無論その不利益な方面を代表するのが僕なのだから、こう改たまって引き合わされるのが、僕にはただ悪い洒落としか受取られなかった。
二人の容貌がすでに意地の好くない対照を与えた。しかし様子とか応対ぶりとかになると僕はさらにはなはだしい相違を自覚しない訳に行かなかった。僕の前にいるものは、母とか叔母とか従妹とか、皆親しみの深い血属ばかりであるのに、それらに取り捲かれている僕が、この高木に比べると、かえってどこからか客にでも来たように見えたくらい、彼は自由に遠慮なく、しかもある程度の品格を落す危険なしに己を取扱かう術を心得ていたのである。知らない人を怖れる僕に云わせると、この男は生れるや否や交際場裏に棄てられて、そのまま今日まで同じ所で人と成ったのだと評したかった。