Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate

Aozora Bunko

が、最後に彼と彼の家庭の調子が程好く取れているからでもあり、彼と社会の関係が逆なようで実は順に行くからでもある。――話がつい横道へ外れた。僕は僕のこせこせしたところを余り長く弁護し過ぎたかも知れない。

僕は今いう通り早く二階へ上ってしまった。二階は日が近いので、階下よりはよほど凌ぎ悪いのだけれども、平生いつけたせいで、僕は一日の大部分をここで暮らす事にしていたのである。僕はいつもの通り机の前に坐ったなりただ頬杖を突いてぼんやりしていた。今朝煙草の灰を棄てたマジョリカの灰皿が綺麗に掃除されて僕の肱の前に載せてあったのに気がついて、僕はその中に現わされた二羽の鵞鳥を眺めながら、その灰を空けた作の手を想像に描いた。すると下から梯子段を踏む音がして誰か上って来た。僕はその足音を聞くや否や、すぐそれが作でない事を知った。僕はこうぼんやり屈托しているところを千代子に見られるのを屈辱のように感じた。同時に傍にあった書物を開けて、先刻から読んでいたふりをするほど器用な機転を用いるのを好まなかった。

「結えたから見てちょうだい」

僕は僕の前にすぐこう云いながら坐る彼女を見た。