Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
それから立派な着物を着たまま湯に這入って、あとは三助にくれるのだそうです。彼の乱行はまだたくさんありましたが、いずれも天を恐れない暴慢極まるもののみでした。僕はその話を聞いた時無論彼を悪みました。けれども気概に乏しい僕は、悪むよりもむしろ恐れました。僕から彼の所行を見ると、強盗が白刃の抜身を畳に突き立てて良民を脅迫しているのと同じような感じになるのです。僕は実に天とか、人道とか、もしくは神仏とかに対して申し訳がないという、真正に宗教的な意味において恐れたのです。僕はこれほど臆病な人間なのです。驕奢に近づかない先から、驕奢の絶頂に達して躍り狂う人の、一転化の後を想像して、怖くてたまらないのであります。――僕はこんな事を考えて、静かな波の上を流れて行く涼み船を見送りながら、このくらいな程度の慰さみが人間としてちょうど手頃なんだろうと思いました。僕も叔父さんから注意されたように、だんだん浮気になって行きます。賞めて下さい。月の差す二階の客は、神戸から遊びに来たとかで、僕の厭な東京語ばかり使って、折々詩吟などをやります。その中に艶めかしい女の声も交っていましたが、二三十分前から急におとなしくなりました。