Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
何とかして話題を転じようと考えているうちに、相手の方で、
「まあどうなりますか。親達の考もございましょうし。当人達の存じ寄りもしかと聞糺して見ないと分りませんし。私ばかりでこうもしたい、ああもしたいといくら熱急思ってもこればかりは致し方がございません」と何だか意味のありそうな事を云った。一度退きかけた敬太郎の好奇心はこの答でまた打ち返して来そうにしたが、善くないという克己心にすぐ抑えられた。
母はなお田口の弁護をした。そんな忙がしい身体だから、時によると心にもない約束違いなどをする事もあるが、いったん引き受けた以上は忘れる男ではないから、まあ旅行から帰るまで待って、緩くり会ったら宜かろうという注意とも慰藉ともつかない助言も与えた。
「矢来のはおっても会わん方で、これは仕方がございませんが、内幸町のはいないでも都合さえつけば馳けて帰って来て会うといった風の性質でございますから、今度旅行から帰って来さえすれば、こっちから何とも云ってやらないでも、向うできっと市蔵のところへ何とか申して参りますよ。きっと」
こう云われて見ると、なるほどそういう人らしいが、それはこっちがおとなしくしていればこそで、先刻のようにぷんぷん怒ってはとうてい物にならないにきまり切っている。