Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate

Aozora Bunko

「そうむずかしい這入り方でもないんでしょうが、どうもこんな時に身体なんか洗うな億劫でね。ついぼんやり浸ってぼんやり出ちまいますよ。そこへ行くと、あなたは三層倍も勤勉だ。頭から足からどこからどこまで実によく手落なく洗いますね。御負に楊枝まで使って。あの綿密な事には僕もほとんど感心しちまった」

二人は連立って湯屋の門口を出た。森本がちょっと通りまで行って巻紙を買うからというので、敬太郎もつき合う気になって、横丁を東へ切れると、道が急に悪くなった。昨夕の雨が土を潤かし抜いたところへ、今朝からの馬や車や人通りで、踏み返したり蹴上げたりした泥の痕を、二人は厭うような軽蔑するような様子で歩いた。日は高く上っているが、地面から吸い上げられる水蒸気はいまだに微かな波動を地平線の上に描いているらしい感じがした。

「今朝の景色は寝坊のあなたに見せたいようだった。何しろ日がかんかん当ってる癖に靄がいっぱいなんでしょう。電車をこっちから透かして見ると、乗客がまるで障子に映る影画のように、はっきり一人一人見分けられるんです。それでいて御天道様が向う側にあるんだからその一人一人がどれもこれもみんな灰色の化物に見えるんで、すこぶる奇観でしたよ」