Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

Leggi 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.350 caratteri · 507 schermate

Aozora Bunko

デンマークの婦人で、三十五、六歳になる人が、男の子を一人連れて日本へ行くというが、見ているとじつによく子供を教育してあった。その子がハンカチーフを胸のポケットに入れて貰って、ちょっと悲しくなると、自分ですぐにそれを出して顔を拭いたりしていたが、後で母親が、船に乗ると子供が悪くなるといっていた。

日本ではまだその少し前ごろまで、どの子もいわゆる二本鼻汁を出していた。私どもも、親からやかましくいわれながら、着物の袖口が光っていた。中には氷の張ったようになっているのもあった。たえず鼻汁をシュッ、シュッと吸いこんだりしていた。その後、食物のせいか、気候によるものか、いつしかそんな現象が見られなくなった。田舎を歩いても、鼻汁を出している子供は、路傍にも見ることがなくなった。

トラホームを患ったり、白癬の頭に出来た子供なども、もはや日本にはほとんどいなくなったようである。二本棒は体質からか、病的なものか、それとも習慣が手伝っていたのか。ともかく子供の綺麗になったのは、大正文化、または大正、昭和の文化の一つの産物に数えてよかろうと思う。子供のために着物の柄を親が考えるようになったのも、ほぼ時を同じくしている。