Classici giapponesi con furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Leggi 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.350 caratteri · 507 schermate
知らない所に置き所があったんじゃないかと思うほどで、父が一生本を読んで暮した家としては、どうも合点が行きかねる。次兄の養家先井上の家に預けてあったことはあった。
東京へ移住してから播州の井上家にいった時、確かに松岡の蔵書というのが一と本箱あったのを見た覚えがある。
曾祖父・祖父母の本で、手控えのようなものも交っていた。その中にちょいちょいもって帰りたいものもあったが、旅先だったのでそのままになってしまった。
今でも残念に思う本の一つに、曾祖父が自分で書いたと思われる診断書の書物があった。舌ばかりを一枚に九つずつ描いたのが何枚もあって、この舌をした人はこういう兆候だということが一々書いてあった。昔の医者は舌による診断が大変進んでいたらしい。井上の兄は自分の書物を大分送って保存させていたから、松岡の蔵書もいっしょになっているかと思ったりしたが、その次に行った時にはもう見えなくなっていた。
私が少年時代に濫読させて貰った辻川の三木家の蔵書は美本ばかりで、ちょっとでも痛みそうなもの、けばだったものなど、直ぐに手当がしてあった。あんな持主の愛情のこもった本も珍しい。