Classici giapponesi con furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Leggi 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.350 caratteri · 507 schermate
その前に、鴎外や次兄通泰などの『しがらみ草紙』に書いた時はまだ十四、五歳であったが、「秋元安民伝」といって、姫路いちばんの歌人の伝記とそれに自作の歌を出したと思う。その時は父がちょっと手を加えてくれてあった。
私の幼い時書いたもので一つだけ奇抜な、文学的なものがある。姫路のお城の話で、父から聞いて非常に感動させられたものである。それをあのころ行われていた雅文体にして書いたもので、原本は見当らないが、こんな話であった。
姫路のお城の中にある松の木に鶴が一番巣を作っていた。よく見ると一羽の鶴が病気になってちっとも動かない。それは雌鶴らしく、もう一羽の雄鶴らしいのが度々巣を出て行っては帰り、帰りしていたが、そのうちいつの間にか、とうとう出て行ったきり帰って来なかった。「やっぱり鳥なんていうものは仕様がないものだ、いくら仲が好くても……」こんなことを人々はいっていたそうだ。ところが残ってねていた雌らしい方が木から落ちて死んでしまった。と、その後へもう一羽の鶴が帰って来た。そして巣に雌鶴がいないので大きな声で啼いたというのだ。そして口から何かを下の方へ、落してしまった。