Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
まあご安心なさい。大船に乗った気で」
客の絶えぬ家である。客を遇すことも厚い彼だが、とくに宋江と宋清に対しては親切だった。頼みがいのある人のところへ来てやはりよかったと、二人は世間のひろさを感じながら、つい数日もすぐ過ぎていた。
と或る日のこと。
「そうご書見ばかりでも飽きましょう。すばらしい珍味が今日は揃いましたから」
柴進が特に心入れの宴をもうけ、その日は夜まで興に入って飲みあった。上の悪政、下風の頽廃、男と男の胸襟を解けば、人生如何に生くべきか、まで話はつきない。
そんな間に、宋江はふと、
「ちょっと、失礼を」
と、厠へ立った。そして紙燭を借り、用をすますと、ふと夜風恋しく、べつな廊下を曲がって行った。そしてなおまた、廊づたいに暗い一室の前まで来て、何かにごつんと躓いたものだった。
悪いことには、その弾みに、手の蝋燭が、そこの暗がりで背を丸くしていた男の頸すじへでも落ちたらしい。男はふいに、
「ア熱、熱、熱っ……」
と大げさに跳び上がり、やにわに宋江の胸ぐらつかんで突ッかかった。
「眼はねえのか、この野郎っ」
驚いたのは、宋江の方だって同じである。