Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
こんな暗い廊下で、かがんでいる奴もないものだと思ったが、客の身として、平身低頭、詫び入った。
だが、聞かばこそ。
男はわめきにわめきつづける。
「てめえもここの居候か。いやに尤も面していやがって、見ろッ、俺の頸ッ玉に火ぶくれが出来たろう。てめえの面を蝋燭でいぶしてやるからそこへ坐れっ。……なに、気がつかなかったと。ふざけるな。瘧は俺の持病なんだ。この持病の苦しみを、いちいち他人へ断ッてから寝ろというのか」
この騒ぎに、家人も騒ぎ出し、やがて柴進自身、何事かと飛んで来た。
「まあまあ」と、彼は瘧の男をなだめ、
「――おまえさん、昨日から体の調子がわるいというんで、今日も酒の座に誘わなかったが、そんなに怒れる瘧なら、なにも大したことはあるまい。とにかく奥へ一しょにやって来ないか」
と、もとの酒席へ伴って来た。そして及時雨宋江と、弟の宋清とを、あらためてそこで紹介したのである。
聞くやいな、男ははるかに飛び退って、まえの気色もどこへやら平伏したまま、しばしは面も上げえない。
「なんともはや面目次第もございません。世上、よくお名は伺っておりました。その及時雨宋公明さまが、あなた様とは、まったくもって、夢にも知らないでいたしたこと。