Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
と曾て老婦人が彼に言ったことを思い出した。事情に疎い外国の婦人の身をもって、果して適当な配偶者を異郷に見出すことが出来たであろうか、こうした掛念がありありと老婦人の顔に読まれた。
「この滝さんは巴里に遊学していらしったことも有るそうです。手紙の中にそう書いてあります」
と細君が言って、マドマゼエルの手紙をひろい読みして聞かせる中に、岸本に取っては親しい東京の番町の友人の名が出て来た。番町の友人の紹介で、マドマゼエルがその美術家を知ったらしいことも分って来た。
「日本で結婚するなんて、儀式はどうするんでしょう、宗教はどうするんでしょう――マドマゼエルも唯一人でさぞ困ることでしょうね」
と細君が言えば、老婦人もその尾に附いて、
「可哀そうな娘」
とつぶやいた。
「とにかく、日本の若い美術家も多勢巴里に来ていることですし、私がその滝さんのことを訊いて進げましょう。マドマゼエルだってしっかりした人ですから、下手な事をする気遣いはありませんよ」
こう岸本は老婦人や細君を言い慰めた。
間もなく主人と前後して、日本の弁護士がそこへ入って来た。老婦人はその弁護士にも滝という人の事を尋ねた。