Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
そこの亭主は白耳義方面の戦場へ向ったぎり行方不明に成ってしまった。
非常な恐怖が過ぎて行った後のような寂しさは町々を支配していた。岸本は牧野と並んで長いサン・ミッセルの通りをセエヌ河の方へと歩いて行って見た。外国人は去り、多くの市民も避難し、僅の老人と婦人と子供とだけが日頃人通りの多いあの並木街を歩いていた。牧野はずっと巴里に残っていたという画家の話を歩き歩き岸本にして聞かせた。一時はこの都も独逸軍の包囲を覚悟し、避難者のためにあらゆる汽車を開放したという話をした。麺麭なぞを乞うものには誰にでもただでくれたという話をした。多くの市民は乗るものもなく、皆徒歩で立退いたという話をした。それらの人達が夜の街路に続いて、明方まで絶えなかったという話をした。
シャトレエの広小路まで歩いた。そこまで行くと、いくらか巴里らしい人の往来が見られた。二人はセエヌの河岸についてサン・ルイの中の島へと橋を渡り、そこから古いノオトル・ダムの寺院の裏手が望まれるところへ出た。石垣の下の方には並んで釣をしている黒い人の影も見えた。セエヌの水も寂しそうに流れていた。
「冷たい石の建築物に、黒い冬の木――いかにも巴里の冬らしい感じですね」