Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
倫敦仕込の灰色な脚絆に靴を包んで軽い麦藁帽を冠ったのが牧野で、その側に立つが彼だ。まぶしかった日光の反射は彼自身の印画を若過ぎるほど若く見せて、それが自分の旅人姿とも一寸受取れなかった。
「巴里で三年昼寝をして来た。自分のことなぞはそれで沢山だ」
と彼は言って見て、いらいらとした旅の心は思うように仕事の出来るだけの沈着をも与えてくれなかったことを思い、僅に故国の新聞へ宛てて折々の旅の通信を書くにとどめてしまったことを思い、国を出る時の多くの約束もその十が一をも果せなかったことを胸に浮べた。
「でも、割合に好く書いてあるじゃ有りませんか」
と牧野は側へ来て言って、半分他人のことのようにその新聞を読返した。
岸本は早や自分等の帰国が京阪地方の人に知れたことを思った。東京の方に自分を待受けている人達――義雄兄を初め、嫂、節子、それから泉太や繁なぞがそれを知る時のことをも想って見た。彼は留守宅宛に、無事に神戸に着いたことを書き、これから大阪や京都に知人を訪ねながら帰って行くことを書いたが、東京へ着く日取もわざと知らせなかった。
十五
岸本の身に感ずるは強い歓喜と、そして激しい疲労とであった。