Classici giapponesi con furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
一ちゃんは知らないと言うし、祖母さんは確かに置いたと言うし、まさか節ちゃんが取るようなことはすまいが、しかし疑って見れば家を出るつもりで取らんとも言えない……」
「節ちゃんはそんな人じゃ有りません」と岸本は兄の言葉を遮った。「あの人に限って、物を置いて行こうとも、取るような人じゃ有りません」
「それはまあどうでも可いとしたところで――」と義雄は言葉を継いだ。「何しろ、あの様子じゃ危くて仕様が無い。今朝は中根へ電話を掛けて、輝にも来て貰うことにした。輝でも来たら、どう節ちゃんも落付くものか知らんが、俺はそのままにしてお前の許へやって来た。節ちゃんが何と言うかと思ったら――馬鹿な、この好い話を虚偽の結婚だなんて。虚偽の結婚とは何だ。誰だってそういう風にしてお嫁に行く。中根が輝を貰う時だって、先方で俺の娘を見たことも無い。輝の方だっても知らない。それでも結婚して見れば、あの通り幸福な家庭を造れる。まあ誰が見たって、あれなら申分の無い夫婦というものだサ。何処の誰だって、女と生れて来て、今日お嫁に行かないようなものは無い。もしあれば、そんなものは片輪だ。俺の田舎には何百軒という家があって、一人としてその家に結婚しないような女は居ない。