Classici giapponesi con furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Leggi 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 173.309 caratteri · 352 schermate
「……だめだったか」
伝右衛門は、詰所から立つ勇気も、口をきく勇気も失ってしまった。
同時に、
「ああ偉い」
沁々と、肚の底でいった。――考えてみると、正月は式日が多い。二月一日は、日光のお鏡開き、これも式日だ。それが過ぎれば間もあるまいと――自分よりも先に、洞察して、ゆうべは別れの酒を、きょうは、各※(二の字点、1-2-22)、死の身支度をしている内蔵助以下の人が、ずんと、目の前に霧を払った連山のように見直された。
越中守の伝言で、それを、ことばで伝えるには、あまりに冷たい。明日の朝は、床の間に、花を挿けようということだった。――罪人の室に花、それで分る。
「あの衆に、花を見せる日が来たか……」
伝右衛門は、その花瓶を出しながら、人間の作った法というものを考えた。
用事が終ってからも、行くに堪えない気がしていたが、やはり、心にかかって、ちょっと、浪士たちの広間をのぞくと、もう、上の間も下の間の人々も、半分は、床に入って寝んでいたが、大石瀬左衛門、富森助右衛門、近松勘六などは、起きていて、
「オオ、それにおいでたは伝右殿とお見うけ申す。お入りあれ」
「もうはや、お寝みでござろうに」