Classici giapponesi con furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Leggi 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 173.309 caratteri · 352 schermate
もう一人は。
十兵衛様の従兄弟にあたり、四ツほどの年下で、斎藤山城守の老臣、明智光安の子で、左馬之介光春とおっしゃった。
世の中というものは、つくづく怖い。その時はまだ、どっちも気がつかずにいたが、やがて越前の穴馬まで、辛苦を共にして落ちて行くうち、ある夜山家の炉辺ばなしのうちに、端なくもこの十兵衛光秀とわしとは、初対面でなかったことが明らかになった。
四年前に――あの岐阜の牢へ捕われた動機というのは、わしが馬泥棒に入った時、そこの邸の食客殿に騎馬で追いかけられ、そのまま奉行所へ突き出されたためだったが――何と、その時の若い食客殿こそ、十兵衛光秀様だったのである。
わしは、十兵衛様の、何事をも見通すような深い眼を仰ぐと、到底かくしていられなかった。
で、ある時。
「実は……」
と、その事から、前身の罪業まで、残らず有態に自白してしまうと、
「そうか。そんな前身もあったのか。ならば修行ひとつで、戦場でも一かどに働ける男になれよう。僻まずに、なおなお、自分を磨き直す事を心がけたがいい」
と、光秀様のおことばだった。わしは身に過ぎた主人に御縁を持った事を、天地に感謝した。