Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
番頭や小僧たちはみんな二階に上がって床についてしまいましたし、私はいつも親父や阿母と三人で寝むことになっている奥の仏壇の間で、床へはいって洋灯を引き寄せて講談本なぞを読んでおりました。
雨はいっそう酷くなってまいりますし、夜もだいぶん更けてこの雨の中を、この刻限に往来なぞ歩いている人は一人もなかろうと思われますのに、ちょうどその時でございました。
どこにも隙間はないのに、阿母が今寝ようとして上げておいた仏壇のお灯明が、フッとかき消えたかと思うと、この酷い大雨の中を樋から落ちる雨垂れの音の合間合間に、トントントンとかすかに店の大戸を叩くものがございました。最初のうちは風の音かと思っておりましたが、またそのうちにかすかな叩く音がいたすのでございます。
「おや! 阿母さん、だれか叩いている!」
「そのようだね」
と母も凝乎と耳を澄ませておりましたが、もう寝んでしまった店の者を起すのも気の毒と思ったものか、そのままつかつかと真っ暗な店先を抜けて、大戸の上の小さな潜り窓をあける音がすると、やがて表にいるだれかと話しているような按排でございました。
私の寝ておりますところからはだいぶ離れておりますし、それにひっきりなしに軒を叩いている雨の音にかき消されて床についている私の耳には聞こえてもきませんでしたが、そのうちに母