Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
「何しやがるんだい、こいつ。」と、勘作の怒った声。
同時に、次郎の体は、乱暴に宙につり上げられた。手首と肩のつけ根とが無性に痛い。
次郎は、それでも、泣き声を立てなかった。彼は両足をばたばたさせながら、めちゃくちゃに勘作の下腹を蹴った。
「この餓鬼め。」
次郎は、いきなりうつ伏せに地べたに放り出された。掌と、唇と、鼻柱と、膝頭とが、その瞬間に、打ちくだかれたような痛みを覚えた。彼は四五秒の間突っ伏したまま、身じろぎもしなかったが、次の瞬間には、地の底で鵞鳥が縮め殺されるような泣き声を立てた。
お鶴も仰向けになってまだ泣いていたが、次郎の泣き声を聞くと、一層大きな声を出して泣いた。そしてそれから二人はせり合うように、代る代る泣き声をはり上げた。
勘作は突っ立ったままじっと次郎を睨めつけていた。
「どうしたんだね。」と、そこへお浜が掃除をしていたらしく、竹箒を持ったままやって来た。
「何だか知らねえが、こいつ、お鶴の頬ぺたを、ひどくつねっていやがったんでね。」
「それでお前さんは、坊ちゃんをなげとばしたとお言いなのかい。」
「そうだよ。」
「そうだよもないもんだ。