Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
」
お祖母さんは、次郎を見上げて物凄い顔をした。さすがに次郎もうろたえた。彼は大急ぎで木から滑り降りて、庭の方に逃げ出した。
「直吉、表の方からまわって、次郎をつかまえておくれ、俊亮も、今度こそはしっかりしておくれよ。」
そう言って、お祖母さんは自分で次郎のあとを追いかけた。次郎はすばしこく植込をぬけ、座敷の縁を上って、家の中に逃げこんだ。座敷と茶の間との間は仏間になっている。そこは、お燈明がともっていないと、昼間でも真っ暗である。次郎は、そこに飛びこむと、平蜘蛛のように畳に体を伏せて息を殺した。
抹香くさい空気が、しめっぽく彼の鼻を出はいりする。
「どこに失せおった。」
お祖母さんは、はあはあ息をしながら仏間へ這入って来たが、すぐ、
「なむあみだぶ、なむあみだぶ。」
と、念仏をとなえた。
次郎は、なるだけ体を小さくするために、足を引っこめたが、それがついお祖母さんの足に引っかかった。お祖母さんは、枯木のように畳の上に倒れた。
「誰か来ておくれ!」
お祖母さんは、今にも息の切れそうな声で叫んだ。次郎は、その間にはね起きて、毬のように座敷をぬけると、再び庭に飛び出した。