Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
外に坊ちゃんを可愛がっていただく人が、だあれもいなくても、もうこれからは大丈夫ですわね。……たった一人ぽっちになっても、きっと、きっと坊ちゃんは誰よりも正直な、お偉い人になれるでしょう。」
次郎はだしぬけにお浜の膝にしがみついて、顔をおしあてた。惑乱と寂寥とが、同時に彼の心を捉えていた。「ひとりぽっち」という言葉が異様に彼の胸に響いたのである。
お民の眼からも涙が流れていた。
お浜は、次郎の背をなでながら、
「でも一人ぽっちになんか、なりっこありませんわね。お父さんがいらっしゃるし、こちらのお祖父さんやお祖母さんもいらっしゃるんですから。それにあたしだって、遠くからいつも坊ちゃんのこと神様にお祈りしていますわ。」
「次郎や、――」と、お民はぬれた眼をしばだたいて、じっと何かを見つめながら、
「あたしは、乳母やよりもっと遠いところから、きっと次郎を見ててあげるわよ。だから、……だから、……腹が立ったり、……悲しかったりしても、……」
そのさきは息がはずんで、誰にも聞きとれなかった。お祖母さんは、さっきから鼻をつまらせて二人の話をきいていたが、
「今日はもう話すの、およしよ。