Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate

Aozora Bunko

こうと決めたら、てこでも動くこっちゃないからね。」

「そのうちには、恭さんもわたしたちを忘れてしまうだろうね。」

「そりゃ、何といってもね……だから、やっぱり今のうちに、お前さんの方で折れた方が何かと工合がいいんだよ。」

「でも、恭さんの代りにあんな猿みたいな子を預るのかと思うと……」

「そんなこと言うのは、およし。聞えたらどうする。」

「だって、本当だろう。お前さん、そうは思わないかい。」

「それほどにも思わないよ。そりゃ恭さんとはくらべものにならないけれど。」

「恭さんは、そりゃ生まれた時から品があったよ。」

「今度の赤ちゃんだって、育てていりゃ、そのうち可愛ゆくなるさ。」

「あんなお猿さんみたいな顔でもかい。」

「およしったら。ほんとに聞えたら知らないよ。」

「聞えたら、聞えたでかまわないさ。」

「でも、それじゃ、何もかも駄目になるじゃないかね、第一、恭さんにも一生逢えなくなるよ。それでもいいのかい。」

「ああ、ああ、癪でも、やっぱり預ることにしようかね。」

「そうおし、飯米のこともあるしね。」

「また飯米のことかい。よしておくれよ。あたしゃ、恭さんが可愛いばっかりに、あんな猿みたいな赤ちゃんでも、預ってみようというんだよ。