Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
」
お民は冷やかにそう言って、また庭に下りた。
そして、つかつかと次郎の前まで歩いて来ると、いきなりその両肩をつかんで、縁台に引きすえた。
「お前は、お前は、……こないだもあれほど言って聞かしておいたのに。……」
お民は息を途切らしながら言った。
次郎は、母に詰問されたら、父もそばにいることだし、素直に白状してしまおうと思っていたところだった。しかし、こう始めから決めてかかられると、妙に反抗したくなった。彼は眼を据えてまともに母を見返した。
「まあ、この子は。……貴方、この押しづよい顔をご覧なさい。これでも貴方は放っといていいとおっしゃるんですか。」
お民の唇はわなわなとふるえていた。
俊亮は、困った顔をして、しばらく二人を見較べていたが、
「お民、お前の気持はよくわかる。だが今夜は俺に任しとけ。……次郎、さあ寝る前に、もう一度行水だ。父さんについて来い。」
そう言って彼は次郎の手を掴むと、引きずるようにして、庭からすぐ湯殿の方へ行った。
湯殿に這入ってから、俊亮はごしごし次郎の体をこするだけで、まるで口を利かなかった。次郎は、すると、妙に悲しみがこみ上げて来た。