Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
「なんでしたら、私、お暇する時に、途中までお送りしましょうかしら。」
お浜は箸を持った手を膝の上に置きながら、改まって言った。すると、茶の間で一人だけ別の膳についていたお祖父さんが、
「なあに、構うことはない。本田の方から誰か迎えをよこすまでは、幾晩でも泊めて置くがよい。」
正木のお祖父さんにしては、かなり烈しい語気だった。白髯の間からのぞいている頬が、いつもより赤味を帯びて光っていた。
お祖父さんにそう言われると、お祖母さんもすぐその気になったらしく、
「そう急いで送って行くこともあるまいよ。よかったら、お浜もゆっくり泊っていったらどうだね。次郎と一緒に寝るのも久しぶりだろう。」
「でも、そんなことをいたしましたら、それこそ本田の奥様が、……」
「なあに、お民の方はこちらに任してお置きよ。今度来たら、お祖父さんからも、よく話して下さるはずだから。」
お浜はわくわくするほど嬉しかった。彼女は、次郎の耳許に口をよせて囁くように言った。
「乳母やも泊っていきましょうね。」
次郎は俯向いて、お椀の中に残った飯を、箸の先でいじるだけで、返事をしなかった。次郎がこんなにはにかんだ様子をするのは、全く珍しいことだった。