Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate

Aozora Bunko

「直さんは、すぐかえるんだろう。」

「帰るとも、ゆっくりなんかしちゃ居れないや。」

「では、坊ちゃんも今日はお帰りになった方がいいんだから、一緒にお連れしておくれよ。お一人じゃ、何ぼ何でも、おかわいそうだから。」

「俺もそのつもりさ。奥さんにそう言いつかって来ているし、それにあのお祖母さんが、恐ろしくやかましいことを言ってるんでね。」

「坊ちゃんのことでかい。」

「そうだよ。歳暮の忙しいのに、二日も三日も子供をお邪魔さして置いたんでは、先方様に、義理が立たないとか言ってね。」

「へええ、いやに義理を気にするんだね。」

「なあに、次郎ちゃんがこちらで可愛がられていると思うと、妙に妬けるんだよ。」

「まさか、お祖母さんが妬くってこともあるまいけれど……」

「いいや、本当に妬けるらしいよ。正木の家では子供を甘やかし過ぎていけないって、飯どきにさえなりゃ、そればかり言っているんだからね。」

「ご自分こそ、恭ちゃんをあんなに甘やかしているくせに。」

「全くさ。それにお祖母さんは、次郎ちゃんにこちらでいろいろ喋られるのが、何より恐いらしいよ。あの子は全く嘘つきだから、何を言うか知れやしないって、一人でやきもきしているんだ。