Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
そうした周囲の空気の中で、次郎は、ぐいぐいと彼自身の新しい天地を開拓していった。彼は、本田と、正木と、学校との三カ所を中心に、沢山の遊び仲間をこさえた。そして、どの仲間でも、彼は彼の腕力と、気力と、智力とに相当した地位を占めることが出来た。
体が小さいせいもあって、腕力では大したこともなかったが、気力と智力とにかけては、彼はたいていの子供にひけを取らなかった。時とすると、年上の子供たちまでを、自分の手下のようにして遊んでいることがあった。ことに彼が、喜太郎を喧嘩で負かしてからは、仲間に対する彼の勢力は、急に強くなった。
喜太郎というのは、村で魚屋兼料理屋をしている庄八の長男で、次郎より二つも年上であった。背が馬鹿に高くて腕力があるうえに、父の庄八が、ちょっと睨みのきく親分株の男だったので、性来気の小さいわりに、横暴な振舞が多かった。恭一などは、学校の往復に彼と一緒だと、いつもびくびくしていた。次郎も最初のうちは、むろん彼の言いなりになっていた。
しかし、次郎の忍耐はそう永くはつづかなかった。
或日、彼がいつもの通り、校番室でお鶴と握飯を食っているところへ、喜太郎がひょっくり窓から顔をのぞかせて、