Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しぶえちゅうさい

渋江抽斎

森 鴎外

Leggi 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 166.525 caratteri · 334 schermate

Aozora Bunko

それは抽斎が哲学文芸において、考証家として樹立することを得るだけの地位に達していたのに、わたくしは雑駁なるヂレッタンチスムの境界を脱することが出来ない。わたくしは抽斎に視て忸怩たらざることを得ない。

抽斎はかつてわたくしと同じ道を歩いた人である。しかしその健脚はわたくしの比ではなかった。迥にわたくしに優った済勝の具を有していた。抽斎はわたくしのためには畏敬すべき人である。

然るに奇とすべきは、その人が康衢通逵をばかり歩いていずに、往々径に由って行くことをもしたという事である。抽斎は宋槧の経子を討めたばかりでなく、古い「武鑑」や江戸図をも翫んだ。もし抽斎がわたくしのコンタンポランであったなら、二人の袖は横町の溝板の上で摩れ合ったはずである。ここにこの人とわたくしとの間にみが生ずる。わたくしは抽斎を親愛することが出来るのである。

わたくしはこう思う心の喜ばしさを外崎さんに告げた。そしてこれまで抽斎の何人なるかを知らずに、漫然抽斎のマニュスクリイの蔵※者たる渋江氏の事蹟を訪ね、そこに先ず『経籍訪古志』を著した渋江道純の名を知り、その道純を識っていた人に由って、道純の子孫の現存していることを聞き、ようよう今日道純と抽斎とが同人であることを知ったという道行を語った。