Classici giapponesi con furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Leggi 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 166.525 caratteri · 334 schermate
手跡がなかなか好いので、豊芥子の筆耕に傭われることになっていた。それゆえ鎌倉屋への使に立ったのである。
森枳園が小野富穀と口論をしたという話があって、その年月を詳にせぬが、わたくしは多分この年の頃であろうと思う。場所は山城河岸の津藤の家であった。例の如く文人、画師、力士、俳優、幇間、芸妓等の大一座で、酒酣なる比になった。その中に枳園、富穀、矢島優善、伊沢徳安などが居合せた。初め枳園と富穀とは何事をか論じていたが、万事を茶にして世を渡る枳園が、どうしたわけか大いに怒って、七代目賽のたんかを切り、胖大漢の富穀をして色を失って席を遁れしめたそうである。富穀もまた滑稽趣味においては枳園に劣らぬ人物で、臍で烟草を喫むという隠芸を有していた。枳園とこの人とがかくまで激烈に衝突しようとは、誰も思い掛けぬので、優善、徳安の二人は永くこの喧嘩を忘れずにいた。想うに貨殖に長じた富穀と、人の物と我物との別に重きを置かぬ、無頓着な枳園とは、その性格に相容れざる所があったであろう。津藤即ち摂津国屋藤次郎は、名は鱗、字は冷和、香以、鯉角、梅阿弥等と号した。その豪遊を肆にして家産を蕩尽したのは、世の知る所である。