Classici giapponesi con furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Leggi 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 166.525 caratteri · 334 schermate
飯田孫三郎は十年前の安政三年から、「武鑑」の徒目附の部に載せられている。住所は初め湯島天沢寺前としてあって、後には湯島天神裏門前としてある。保さんの記憶している家は麟祥院前の猿飴の横町であったそうである。孫三郎は維新後静岡県の官吏になって、良政と称し、後また東京に入って、下谷車坂町で終ったそうである。
比良野貞固は妻かなが歿した後、稲葉氏から来た養子房之助と二人で、鰥暮しをしていたが、無妻で留守居を勤めることは出来ぬと説くものが多いので、貞固の心がやや動いた。この年の頃になって、媒人が表坊主大須というものの女照を娶れと勧めた。「武鑑」を検するに、慶応二年に勤めていたこの氏の表坊主父子がある。父は玄喜、子は玄悦で、麹町三軒家の同じ家に住んでいた。照は玄喜の女で、玄悦の妹ではあるまいか。
貞固は津軽家の留守居役所で使っている下役杉浦喜左衛門を遣って、照を見させた。杉浦は老実な人物で、貞固が信任していたからである。照に逢って来た杉浦は、盛んに照の美を賞して、その言語その挙止さえいかにもしとやかだといった。
結納は取換された。婚礼の当日に、五百は比良野の家に往って新婦を待ち受けることになった。