Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

「坊はどっちィいくんだ」

「こっち」

「そうか、じゃ、さいなら」

「さいなら」

少年はひとりになると、じぶんのポケットに手をつっこんで、ぴょこんぴょこんはねながらいった。

「坊ゥ……ちょっと待てよォ」

遠くから男の人がよんだ。少年はけろんと立ちどまって、そっちを見たが、男の人がしきりに手をふっているので、またもどっていった。

「ちょっとな、坊」

男の人は、少年がそばにくると、すこしきまりのわるいような顔をしていった。

「じつはな、坊、おじさんはゆうべ、その薬屋のうちでとめてもらったのさ。ところがけさ出るとき、あわてたもんだから、まちがえて、薬屋の時計を持ってきてしまったんだ」

「…………」

「坊、すまんけど、この時計とそれから、こいつも(と、がいとうの内かくしから、小さい懐中時計をひっぱり出して)まちがえて持ってきちまったから、薬屋に返してくれないか。な、いいだろう?」

「うん」

少年はうた時計と懐中時計を、両手にうけとった。

「じゃ、薬屋のおじさんによろしくいってくれよ。さいなら」

「さいなら」

「坊、なんて名だったっけ」

「清廉潔白の廉だよ」

「うん、それだ、坊はその清廉……なんだっけな」