Classici giapponesi con furigana
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かわ
牛をつないだ椿の木
Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate
これでさわぎはすんでしまった。一同は、ふたたび作業にとりかかった。
しかし春吉君だけは、事がまだ終末にいたっていない。気持ちにせおいきれぬほどの負担ができてしまった。春吉君には、こんな経験は、生まれてはじめてといってもよい。春吉君はいままで、修身の教科書の教えているとおりの、正しいすぐれた人間であると、じぶんのことを思っていた。
今、じぶんが沈黙を守って、石太郎にぬれぎぬをきせておくことは、正しいことではない。じぶんは、どうどうというべきである。いまからでもよい。さあ、いまから。そう口の中でいいながら、どうしても立ちあがる勇気が出ないのであった。
春吉君はくやしさのあまり、なきたいような気持ちになってきた。それをはぐらかすために、できあがっていただいじな茶わんを、ぐっとにぎりつぶしたのである。
*
まったくこれは、春吉君にとって、この世における最初の、じぶんで処理せねばならぬ煩悶であった。それは家へ帰ってからも、つぎの日学校にふたたびくるまでも、しつこく春吉君のあとをつけてきた。たいていのなやみは、おかあさんにぶちまければ、そして場合によっては少々なけば、解決つくのだが、こんどは、そういうわけにはいかない。