Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate

Aozora Bunko

「こすいぞッ」

と、さけんだ。

そらもうはじまった。はやくしろ、はやくしろ。

徳一君がすばやく、音次郎君の手からかきをうばいとって、ひと口かぶりついた。案のじょう、きび色の美しい果肉があらわれた。それを徳一君からうけとると久助君は、徳一君のかじった反対側のほうを、大きくかじった。そして、あとをもとの音次郎君にわたした。すると、音次郎君もひと口かじったので、かれもまた、このいたずらに参加していることがわかった。

兵太郎君は、いまさらわめいても追っつかぬことを見てとった。かれは先のふたりのように、ゆっくり岸に近づいた。それから、ふちの草につかまった。けれど、つかまったままじっとしている。なにか思案しているようすである。

こちらの三人は、顔を見あわせた。三人の顔から、ちゃめ気が、しばらくためらって、そしてぬけていった。しんとなった。

青ざめた顔を兵太郎君がしかめた。そして腹がいたいときのように、腰をおった。

「どうした、兵タン」

と徳一君が、おどおどしてきいた。

「あがってこいよ」

と、久助君もいっしょにいった。

それでも兵太郎君は、かた手で草につかまったまま、動こうとはしなかった。