Classici giapponesi con furigana
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かわ
牛をつないだ椿の木
Leggi 牛をつないだ椿の木 (かわ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 75.647 caratteri · 155 schermate
それは、ひとりの美しい少年であった。この美しい少年は、いったいなんという名だろうと、久助君は思った。そしてすぐ、なァんだ、太郎左衛門じゃないかと、口の中でいった。
ふいと久助君は、まえに、江川太郎左衛門というえらい人物の伝記を、ある雑誌で読んだことを思い出した。よくはおぼえていないが、江戸時代の砲術家で、伊豆の韮山に反射炉というものをきずいて、そこで、そのころとしてはめずらしい大砲を鋳造したという人である。そして、れんがを積みあげてつくったらしい反射炉の図と、びっくりした人のように目玉の大きい、ちょんまげすがたの江川太郎左衛門の肖像が、久助君の頭にうかんだ。
この少年太郎左衛門は、あの江戸時代の砲術家の太郎左衛門と同じ名なのである。同じ名ならば、ふたりは同じ人間ではあるまいか。
しかし、そんなはずはない。第一、江戸時代におとなだった太郎左衛門が、現在、子どもになっているというわけがないのである。それでは、事の順序がぎゃくというものだ。
久助君は、じぶんのばかげた考えをうちけした。にもかかわらず、久助君には、砲術家太郎左衛門と、この少年太郎左衛門が同一人物のように思えたのである。