Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Leggi 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.213 caratteri · 325 schermate

Aozora Bunko

それをせぬのは、悪人どもと郁次郎とは、まったく、深い縁のない証拠だ」

「証拠証拠と仰せられるが、すでに、あの通り、当人が自白しているのが、何よりの証拠ではありますまいか」

「では、羅門――」

と、老先生は、一歩迫って、

「其許も、やはり、東儀と同じく、あくまで伜郁次郎を、罪人と断定なさるおひとりじゃな」

「いかにも!」

と、羅門はつよく言い切った。

「情に於いては忍びぬものがありますが、是非もないことです。明らかに申します。笛師殺し、巫女殺しの謀主は、塙郁次郎に相違ないと断言する」

「ウーム、面白い」

老先生は、締めつけられて腸の底から、肩をゆすって、無理に笑った。

「面白い。――貴公とわしとは、江戸流と上方流との、見解の相違じゃ。これから、幾日の間と、日限を切って、その間に、どっちがはやく悪人どもを一縛げにするか、命を賭して、競ッてもよい」

そう言って、壮者のように、眼をかがやかせる老先生を、これも、愛子を救いたい一念に、常の落着いた隠者の態度をとりみだしておられるのか――と羅門は気の毒そうに眺めて、

「折角ですが、老先生。もはや事件はあまりに片づいております。