Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.387 caratteri · 453 schermate

Aozora Bunko

なかなかむし暑い。二階はやはり暑いものですね、夏は。

三十日

お母さんは只今徳山へ買ものにお出かけです。この間私たちがお伴をして行ったとき御位牌を注文なさったが、それが少々やすものすぎるので直させのためです。かえりに、おせんべのお土産があるでしょう。

昨夜のニュースで、東京が大雨だと知り、こちらは一昨日から晴天つづきで、只夜ひやっこい東風が吹くだけだったので、いかにも東京から遠くはなれていることを感じました。きょうはお母さんも汗をおかきでしょうから早く湯をわかして私は髪を洗います。椿の実をつぶしたので。昔うちで椿の油をしぼったってね。徳さんが手紙をくれました。支那語をものにして来たので、面白い翻訳をしたそうです。いいものを身につけましたね。私の有益な読書は面白さにひかれて予定以上に進み、もう今日あすで終ります。沢山の真面目な話題があります。

日本のアパートというのは、宿やのようなものね、ちっとも室即ち一軒の独立性がない。いくらでも管理人が留守にあける。同潤会でもそうらしい様子です。アパートメントとしての性質をはっきりもっているところは、一種の高級アパートメントで、これ又至って臭気がつよい。