Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.387 caratteri · 453 schermate
明るい陽のさしているようなお手紙。この頃は何だか特別に毎朝私の顔や心がいっぱいに心持のいい、云うに云われぬ光りを浴びる心持です。きのうなど、その心持よさ、うれしさ、充実したたっぷりさで感動しながら雨の中を原っぱをぬけました。こういう深い、汲めどもつきぬ感じを与える暖流は、何と宝でしょう。日光のチラチラするような、一寸枝蔭のさしているような、そういう安らかな流れに体をひたして、私は眼を瞑って自分の体をやさしくとりまくものの感じに流れこんだり、ああいい気持と又目をあけて、パシャパシャ水しぶきを立ててあちこち眺めたり。愉しい、愉しい気持。
こういう爽やかな、優しさと力に溢れたような情感の全身的な水浴を、あなたにも時折はさせて上げているでしょうか。私の人間としての質量が小さくて、もしそういう横溢の中にあなたを包み、新鮮にしてあげることが稀だとしたら、本当にすまないわけですね。
汲めどもつきぬもの、滾々と湧き出づるもの、私は貪慾だから、私たちの生活にあるそういうものを実に愛します。この頃特にそれが強くなって来ている。噴きぬき井戸が正しく真直に水脈の上に掘りぬかれていて、その上を風が吹けば虹色の立つ水が溢れるということは、大事なことです。