Classici giapponesi con furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Leggi 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 183.656 caratteri · 363 schermate
二部興行で、昼の部は忠信の道行、躄の仇討、鳥辺山心中、夜の部は信長記、浪華の春雨、双面という番組も大きく貼り出してある。
左団次一座が麻布の劇場に出勤するのは今度が初めである上に、震災以後東京で興行するのもこれが初めであるから、その前景気は甚だ盛んで、麻布十番の繁昌にまた一層の光彩を添えた観がある。どの人も浮かれたような心持で、劇場の前に群れ集まって来て、なにを見るとも無しにたたずんでいるのである。
私もその一人であるが、浮かれたような心持は他の人々に倍していることを自覚していた。明治座が開場のことも、左団次一座が出演のことも、又その上演の番組のことも、わたしは疾うから承知しているのではあるが、今やこの小さい新装の劇場の前に立った時に、復興とか復活とか云うような、新しく勇ましい心持が胸いっぱいに漲るのを覚えた。
わたしの脚本が舞台に上演されたのは、東京だけでもすでに百数十回にのぼっているのと、もう一つには私自身の性格の然らしむるところとで、わたしは従来自分の作物の上演ということに就いては余りに敏感でない方である。勿論、不愉快なことではないが、又さのみに愉快とも感じていないのであった。