Classici giapponesi con furigana
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
Leggi 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 183.656 caratteri · 363 schermate
しかもそれは昔のことで、江戸前ようやくに亡び絶えて、旅うなぎや養魚場生まれの鰻公が到るところにのたくる当世と相成っては、「比類あるべからず」も余ほど割引きをしなければならないことになった。
次に瓜である。夏の野菜はたくさんあるが、そのうちでも代表的なのは瓜と枝豆であろう。青々した枝豆の塩ゆでも悪くない。しかも見るから夏らしい感じをあたえるものは、胡瓜と白瓜である。胡瓜は漬け物のほかに、胡瓜揉みという夏向きの旨い調理法がむかしから工夫されていて、かの冷奴と共に夏季の食膳の上には欠くべからざる民衆的の食い物となっている。白瓜は漬け物のほかに使い道はないようであるが、それだけでも十分にその役目を果たしているではないか。そのほかに茄子や生姜のたぐいがあるとしても、夏の漬け物はやはり瓜である。茄子の濃むらさき、生姜の薄くれない、皆それぞれに美しい色彩に富んでいるが、青く白く、見るから清々しいのは瓜の色におよぶものはない。味はすこしく茄子に劣るが、その淡い味がいかにも夏のものである。
百人一首の一人、中納言朝忠卿は干瓜を山のごとくに積んで、水漬けの飯をしたたかに食って人をおどろかしたと云うが、その干瓜というのは、かの雷干のたぐいかも知れない。