Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
」
穴の底のほうから、怪人の声がものすごく、ひびいて来ました。
明智探偵は、穴のふちにひざをついて、懐中電灯で下のほうをてらしてみました。そこは井戸のようなふかい穴で、こちらがわに、直立の鉄ばしごが、ズッと下のほうまでつづいています。そのはしごのなかほどに、怪人がつかまって、虎だか人間だかわからない、あのおそろしい顔で、穴の上のほうをにらんでいるのでした。
「あがってこいッ。このうえ逃げると、うち殺すぞッ。」
明智の肩の上から、のぞきこんでいた警官が、怪人にピストルを向けながら、どなりました。
「ウフフフ、きみはうちやしない。おれをいけどりにしたいんだからね。おれもうたないよ。ピストルはちゃんとここに持っているが、おれは血を見るのが大きらいだからね。きみたちは、おれを追いつめて、つかまえればいいんだ。しかし、おれは、けっして、つかまらない。魔法博士だからね。魔法の力で、どこまでも逃げるんだよ……。」
そして、怪人はまるでサルのように、鉄ばしごをかけおりて、底のやみの中へ消えてしまいました。
それにしても、こんなふかいたて穴は、いったい、どこにかくされていたのでしょう。