Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
島田君は、ふと、ぼくはいま夢を見ているんじゃないかしらと、思ったほどです。
怪紳士は町かどをいくつもまがりました。そのたびに、少年たちは、ますます見おぼえのない町へ、はいってゆくのです。
いつのまにか、屋敷町になって、両がわに長いコンクリート塀が、つづいていました。少年たちは、からだをかくすものが何もありません。塀にピッタリ身をつけて、カニのように、横ばいをするほかはないのです。
怪紳士は、三十メートルばかりむこうのもやの中を、おなじ調子で、コットリ、コットリ、あるいています。あるくたびに竹のステッキが、キュッ、キュッと、しなうのです。
いまにも、こちらをふりむくのじゃないか。そして、あの空洞の目で、ぼくたちを見つけて、おっかけてくるのじゃないかと、ふたりはもうびくびくものでしたが、さいわい、怪紳士は一度も、あとを見ないで、まるで、首をまわすことのできない、機械人形のように、まっすぐに、あるいてゆきます。
コンクリート塀が、つきると、こんどはいけがきばかりの町になりました。いけがきは身をかくすのに、つごうがよいけれども、さびしさは、ますばかりです。