Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

「大友君、きみはそこにいるんだね。」

小林少年は、いくら懐中電灯で照らしても、鉄ごうしの中に、だれもいないので、もう一度、たしかめてみないでは、いられませんでした。

「うん、いるよ。きみたちのすぐ前に、いるんだよ。」

大友君の声が、そう答え、指のつめで、コツコツと、鉄ごうしを、たたいてみせました。

「ぼくは、ねむっているあいだに、四角なメガネをかけた老人のために、透明人間にされてしまったんだ。そして、はだかにされて、ここへ、とじこめられたんだよ。」

いまにも泣きだしそうな、かなしい声でした。捜索隊の人々は、手に手に懐中電灯を照らしていましたが、それは青白い、よわい光で、くらやみをはらいのける力はありません。そのくらやみの中から、すがたの見えぬ少年の、かなしげな声だけが、聞こえてくるのです。

「ぼくたちは、この地下道の中を、ぜんぶしらべたが、そんな老人はどこにもいなかったよ。だけど、なんだか、目に見えないやつが、いくにんもいるような気がするんだ。」

小林君が言いますと、大友君の声が、それをひきとって、

「じゃ、それは一号から三号までの透明人間だよ。一号というのは、世間をさわがせた、あの透明怪人で、二号と三号は、まだ、そとへ出ることを、ゆるされていないんだ。