Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
そして、懐中電灯をふり照らしながら、もう一度、部屋から部屋をあるきまわるのでした。
「アッ、中村さん、黒川さん、ちょっと、ここへきてください。」
小林少年が部屋のすみのほうから、おしころしたような声で呼びました。そこは、れいの化学実験室なのです。
中村係長と黒川記者が、かけつけてみると、小林君は一つのおしいれの戸をあけて、その中を懐中電灯で照らしていました。おしいれには、木箱や、あきびんなどが、ゴタゴタいれてあって、それが、だれかに、ふみあらされたように、ころがったり、われたりしているのです。
「あれを、ごらんなさい。」
小林君は、懐中電灯の光を、正面のかべにあてました。そのかべには、ふとさが一センチもあるような大きな鉄のくぎがたくさん、うちこんであるのです。
「あのくぎは天井にのぼるための、足場じゃないでしょうか。」
小林君は、そう言って、懐中電灯を、だんだん天井のほうにむけました。すると、天井板の一枚が、すこしはすになって、すきまができているではありませんか。
「ね、わかったでしょう。ぼく、のぼってみます。」
小林君は、懐中電灯をポケットにおしこみ、大くぎに手と足をかけて、天井によじのぼりました。