Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

「ありがとうございます。これで、わたくしも、こころじょうぶですわ。でも、明智をたすけださなければなりません。自分のことより、そのほうがしんぱいなのです。」

「それもわかっています。捜査本部には、ぼくのほかにも、たくさんの係長がいます。名刑事がいます。それに東京じゅうの警察署が力をあわせているのです。きっと助けだしますよ。」

中村係長は文代さんをはげますようにつよく言いきってみせるのでした。

そのときです。

カーテンをしめきった窓が、いなずまでもさしたように、パッとあかるくなりました。その窓はおもての道路に面しているので、通りかかる自動車が、町かどをまがるときなどに、そのヘッド・ライトの光があたって、そんなふうにあかるくなることがあるのです。文代さんも小林君も、そのヘッド・ライトの光だろうと、気にもとめないでいましたが、どうしたわけか、まっ白な光は、窓を照らしたまま、じっと動かないのです。

へんだなと思っていると、やがて、その白くなったカーテンの上に、なにかもうろうとした影が、うつってきました。

おお、またしても、あのおそろしい怪物の影です。モジャモジャのかみの毛、ワシのような鼻、三日月がたにひらいた大きな口、透明怪人の横顔です。