Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
二階の窓にも別状ありません。そのつぎの三階が頂上でした。だれもいません。しかし、そこの窓が、ひらいたままになっています。かけよって、しらべてみると、窓わくにつもったホコリが、ひどくみだれています。何者かが、その窓から外に出たらしいのです。
まさか三階の窓から、飛びおりることはできません。地上七メートルもあるのです。では、綱をつたっておりたのでしょうか。しかし、どこにも綱のはじは見えません。
小林君は窓から首をだして、のぞいて見ました。思ったとおり、足がかりなんかすこしもない、なめらかなレンガのかべです。ヘビかトカゲでなくては、このかべを、はいおりることはできないでしょう。
そう思って、見おろしたとき、小林君の目に、ギョッとするようなものが、うつりました。その直立したなめらかなかべの上を、一ぴきのまっ黒な怪物が、とほうもなく大きな、トカゲのようなやつが、ノロノロとはいおりていたのです。ちょうど二階の窓のへんを、頭を下にして、さかさまにはいおりていたのです。
それは、写真でも絵でも、一度も見たことがないような、まっ黒な動物でした。大きさは、ちょうど人間ほど、足は四本、ひふは、まるで黒ビロウドのようです。